【しくじり先生】願望が強ければ強いほど失敗しやすい話
どうも、黒川です。
僕は昔からなんとなくではありますが、漠然と「こんな人になりたい」とか「こういう人生を送りたい」って思っていたボーイでした。
それも、実際の自分の性格とは関係なく。
とは言っても的を得ていないものばかりで
たとえば不自由すぎない生活を送りたいだとか、年齢が30も40も離れた人とは一緒に仕事をしたくないとかそんなもん。
歳を重ねていくうちに少しずつ具体的にはなったのですが、それと同時に
絶対にこうなってやる
とか
やってみせる
とか根拠もなく思っていたんです18歳くらいまでは。
初めて接客業を始めたのは19歳の頃で、いわゆるボーイズバーよりのワイワイしたバー。本質的にはホストに近かったかもしれない。
単細胞だった僕は
「ここで人気メンバーになってやる!」とか
「カリスマ的存在になりたい!」とか思っていたわけです。
このテキトーヘラヘラ人間がですよ()
でもそこで待っていたのは、とにかく狂ったお客さんやキャストで、それはもうぶっ飛んだ映画の中のような日常でした。
自分の「こうやったら上手くいくかな」とか「これならお客さんまた来てくれるかな」とかを先輩の助言をもらいながら試行錯誤していく毎日。
でも全く上手くいかないんですよ。
だってなりたい自分と本当の自分が根本的に違うから。
上手くいかない悔しさから増幅していったのは
絶対にできるはず、成功したい
という根性論だけ。
でも全く成長なんてしないわけですね。
変化がなければ成長なんてたかが知れているから。
そんなある日、先輩がご飯に連れて行ってくれていきなり言われた一言。
「お前キャラ違くね?」
きっと営業中の黒川とオフの黒川を見て言い放たれた言葉。
自分では痛いほど分かっていたことでも願望が強すぎて、こんなキャストになりたいんですみたいなことで反論してしまいました。
その時は「ふーん」と一蹴されておしまい。
でも先輩からの一言が激辛料理みたいにヒリヒリと効いてきたんですよね。
言葉に出すことはなかったけれど、気は強くないけれどふざける事が好きなデタラメな性格の自分を出してみることに。
そしたら前よりもずっと感触がよかったんですよ。
それが売上の数字的にもわかりやすく出て。
嬉しかった反面、なにかを捨ててしまったような感覚もあり、ちょっと自分の小ささを知りました。
なりたい自分も大事だけれど、仕事としてなら「求められる自分」はもっと大事。
今振り返ってみると
「こうなりたい」という願望が強いほど
同時に「こうなりたくない」が無意識に比例して強くなっていくんです。
でもそのなりたくない姿や方法の中に、自分に合った最善のやり方が隠れていることってよくあったんです。
”どうなりたいか”を決めるということは、”こうはならない”というのを決めることでもあって。
だから「自分は絶対にこうなってやる!」とかを盲信してしまうと危ないんですわ。
そこには強い信念とちょっとの柔軟性が必要で。
信じ抜くことは大事だけれど自分のプライドにしてはいけない。これが大事。
なりたい自分がいて、でも今の自分とかけ離れているとき。
現実を見ろってわけではないです。
ただ、本当の自分と照らし合わせてどれくらいギャップがあるのかを見極められることが大事なんじゃないかなって。
それがいいかどうかを判断するのって自分だけではなくて仕事上は周りの人だったから。
願望が強すぎたら人の意見も聞けずにどんどん孤独になって気付いたら無力人間ですよ。
こうはならずに済んだから、あの時の先輩には感謝しかありません。
願望を強く持つことはいいけれど、自分でコントロールできる範囲で持たないとそれは逆効果になってしまったという失敗談でした。