「営業をかける」にずっと引っかかっていたこと。自分の価値ってなんだろう。

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こんにちは、黒川まおです。

 

 

 

僕はいろいろな形で自分を商品にする人気商売を3、4年ほどやってきました。

 

どの業界も、本質的に同じような部分もあれば全然違うところもあって比べてみると面白いんですよね。

 

 

今回は、これらどの業界にも存在している考え方があるので、そこについてプレイヤー目線で触れていこうと。

 

そして人気商売をしてよかったことを書いていこうと思います。

 

 

 

 

「営業かける」ってなんぞや


 

念のため知らない方に向けて説明するのですが

 

 

もっとお金を使ってもらう事を目的として、キャストがお客さんに喜ばせる言動や行動することを指します。

 

これを求めているお客さんもいるので、一概に悪いことではないです。

 

 

 

かれこれ4年弱くらい接客業をやって3つの世界を渡り歩いたんですけど、どこいっても「営業をかける」って言葉があって、それに違和感を感じてたんですよね。

 

 

「それいる?」って。

 

 

 

そりゃあたくさんお金を使ってもらった方が嬉しいのは分かるし自分の人気にも繋がるからいいんだろうけど。。。

 

言われた方は苦しくなることの方多いんじゃないかとずっと思ってた。

 

 

こんなこと考えているから自分は夜の世界じゃ売れなかったんだろうけど、なんか結局お客さんも自分も楽しさは続かないなあと思ってたなあ。

 

 

趣味・娯楽なのに遠回しに「お金つかえ」って気持ち示されるのは自分だったら楽しくないかなあという基準で動いてました。

 

 

お金つかって言われた側は「頼ってもらえている」って感じる方もいると思うんだけど、これを言ってしまうと

 

 

その対価に見合わない接客をしたときに絶対トラブル起こると思うんですよね。

 

 

黒川まおの人格はそれにかなり一喜一憂しちゃう人間なので、営業をかけることに関しては放棄してました。

 

そもそもそれに見合うほどお返しできる度量もなかったのですが。

 

 

 

キャストとお客さんの間にある1番大きな違いは
仕事なのか趣味なのかというところ。

 

 

もちろん本気で応援している気持ちもとても分かるけど、お客さんは仕事か趣味かで言ったら後者ですよね。

 

ここの大きな違いがあるからいろんなズレが起こるんだと思う。

 

僕らは基本的に1対複数なので、1人のお願いをOKしてしまうと他の人にもOKしないといけなくなるんですよ。

 

そこでいつかパンクすると思っていました。

 

 

ましてやこういう接客業って人間関係もあるから相性が大事じゃないですか。

お金を払ったら牛丼が食えるみたいな単純な世界じゃないのも難しいですよね。

 

 

やっぱりあんまり営業をかけるってのは自分は苦手だなあと思ってました。

 

 

お客様は神様か?


 

 

 誤解を恐れずにいうと、僕はお客様が神様だと思ったことは1度もないです。

 

”等価交換”の上でお客さんが自分の選択でお金を出すので、両者対等だと思っています。

 

その上で、お互いに敬意と感謝をもって接するのが大事だと思っている人間です。

 

 

ちなみに、「お客様は神様です」というのは歌手の三波春夫って人が、歌うときの心もちとして神様に祈るときのように澄み切った心で歌うことを意識していたから生まれた言葉です。どっかの誰かがそれを悪用して今にいたります。

 

 

でもお客さんにだけ、ある権利があります。

それは「選択の権利」です。

 

 

自分の担当や推しなどを選ぶのは自由です。

誰にお金をつかおうが勝手だし、それが1人じゃなきゃいけないこともない。

 

辛かったらやめていいんです。

 

いろんな人に相談されました。

その度に言っていました。

 

「趣味なんだから楽しい方を選びなよ」と。

 

 

 

これがお客さんとキャスト側の立場の違いです。

 

 でも「お金つかって」なんて言ったらここのバランス崩れちゃいますよね。

 

お願いするくらいはいいとしても、そこの権利を害してしまうのは趣味としては成り立たない。そんな風になっているところをいくつも見てきました。

 

 

だからある日、僕はある結論を出しました。

「お金つかっては言わないルールにしよう」と。

 

 

そもそも接客業界に大昔からある「育て」という言葉だって、お客さんをちゃんと楽しませていられればお客さんの方からもっと払ってくださるわけで

 

それを意図的に変な方法でやるよりも

正当に楽しんでもらった方がよくない!?という話。

 

 

 

ちょっと話はそれますが、個人的意見として、コンカフェの世界で自分を商品にする上では「お客様」という呼び方はあまり好きではなかったです。

 

単純に自分だったら遠く感じてしまうのと、上下をつくっても相手は楽しめないと考えているからです。

 

もちろんお金を払っていただいていることだけを忘れなければ呼び方は重要じゃないと思っているので意図的に「お客さん」と呼んでいます。

 

 

 

 

 

僕らの価値はどこにあるのか


 

人気商売をする上で、僕らの価値ってなんなんだろう、そもそも価値ってどこにあるんだろうとずっと考えていました。

 

 

答えは電車に乗っているときに出ました。

(卒業式のときに話した内容)

 

おっさんが車内で揉めてて

「俺はどこどこの役員だぞ!なめるな!」

と言っていた。

 

 

それをボーッと見てたら気づいたんですよね。

このおっさんにも僕にも、人の中に価値があるわけじゃないんだって。

 

 

この人は会社ではお偉いさんだけど、電車に乗ったらただのおっさん。

これは僕も一緒で、店の中ではキャストだけど、電車に乗ったらただの小僧。

 

 

価値ってのはその人の中にあるモノじゃなくて、その人の周りにある環境なんだと。

 

 

いくらキャストとして人気になろうが誰に評価されようが、僕にはそれが剥がれ落ちたらただのどこにでもいる青年なんだと。

 

 

これに気づいたときに人気商売の本質がみえた気がしました。

 

 

ホストが月に1000万売りました。

俺にはそれだけの価値がある。俺はすごい。

 

 

違う。1000万の価値をくれたのは周り。

それだと1000万プレイヤーという肩書が無くなったら無価値になってしまう。

 

 

そのホストがすごいのは1000万の価値があることじゃなくて、その価値を集める力なんだと思った。

 

これが人気商売において僕らが目指すべき目標なんだと分かりました。

 

 

価値はどうやって集めるか


 

 

 じゃあその「価値」ってのは、どうやって集めるか。

 

お客さんは何に価値を感じるのだろうか。

そんなことをずっと考えていました。

 

 

人によって違うだろうから、ひとつの指標を決めました。

 

それは、「また来ようと思ってもらえるかどうか」です。

 

 

これに対して、基準をずっと超えていったらそれ以上の価値をいただけるんじゃないか。

 

これを考えて行動してみることにしました。

 

 

これは、営業をかけたら人気が上がるとかそんな話ではないです。

ようするに、「満足度」をどれだけ高められるかという世界です。

 

 

1時間1000円のセット料金というのは食べ物・飲み物とは別の、僕たちと会えたり話せるという”付加価値”です。

 

 

この基準のハードルを超えられた分だけ価値がいただける。

それがコンカフェの世界だという見方をしました。

 

 

1時間1000円でもまた来たいと思う基準も内容も人によってさまざま。

キャストは僕だけじゃないし、タイプもそれぞれ。

 

 

相性や好みも人によって違う。ありのままでいた方が好んでくれる人が価値をくださるんだと気づいてから、さらに楽しくなりました。

 

 

「1時間1000円をどれだけ払ってもいいと思ってもらえるか」

これが僕の周りにある価値というものを高めるための基準でした。

 

 

 

人気商売だけじゃない

 

「価値は自分の中じゃなく周りにある」

という考え方は、自分を商品にする仕事に限ったことじゃないと思っています。

 

 

どんなに素晴らしいスキルを持っていても、それをつかっていなかったら価値は生まれません。

 

周りの人に知ってもらえて、何かの役に立ってはじめて価値が生まれます。

決して自分の中に価値があると勘違いしてはいけない。

 

 

僕がコンカフェ店員として価値があっても、関係ない仕事をしたらその価値は無意味です。

 

「人は生まれながらにしてみんな特別?」

 

みんな特別だったらそれは特別ではないです。

 

 

僕らにはもともと価値なんてないです。ただの生き物です。

他の人と関わってはじめて価値が生まれます。

 

生きる意味とか存在意義なんて最初からないです。

 

人に依存して存在価値を感じるのも否定はしませんが

それよりも「価値のいただき方」を考える方がずっと自分のためになると思うのです。

 

 

人に依存して感じた価値は、その人がいなくなったら無くなってしまう。

 

だったら自分で価値をもらえるような人になれる努力をした方がずっと自分を好きになれます。

 

僕はそれを、コンセプトカフェで学びました。 

 

 

 

自己肯定感というのは、自分でしか上げられないから自己肯定感というのです。

他人に評価されたり比べたりして左右されるものは、自己ではないです。

 

 

「価値とかの評価は周りに依存しているのと同じじゃないのか。」

いいえ違います。それを得るためにどれだけの事をしたかです。

 

 

評価は結果論です。

でも評価して価値をくれた人たちに感謝が消えたらおしまいです。

 

 

 

自分の中で満足できたことがあって肯定感が上がる。

僕はこれを知らなかったから自己肯定感が低いままだったんだと思います。

 

 

 

スポーツ選手が優勝して嬉しいのは、1位になったこと自体よりもそれまでの頑張りが報われたからだと思います。

 

 

人気商売やってなかったらこんな考え方は得られませんでした。

 

 

よく俳優とかが「ここまでこれたのは皆さんのおかげです」

と言っていたのはこういうことだったのか!と気付きました。

 

あれは綺麗事じゃなくて理にかなっていた。

 

 

この「価値」の考え方が、コンカフェ店員という人気商売の中で周りの人からいただいた1番の財産ですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

かっこつけすぎた照

 

 

 

あ、カメレオンかヒョウモントカゲモドキを飼おうか迷っています。

カメレオンがかなり優勢です。

 

近々家族が増えるかもなので、慎重に考えて決めます。

(カメとウーパールーパーどこいったんだよ)

 

こう見えて動物は大好きなので初めての爬虫類たのしみ...

 

名前の候補出すのでみんなで決めましょ!!

 

んじゃまた!